２０２５年度からの４０年間は

稲盛和夫氏のある本で紹介されていた「日本盛衰40年サイクル」、全くその通りだと思っています。西暦1865年、言うまでもなく明治維新が始まる、長州が4か国の列強と戦った年であり、翌年、薩長同盟が締結される。ここから、幕府を倒し、列強に追い付けとばかり、日本は大きく変わろうと努力した。そして「富国強兵」が叫ばれ、日本人のほとんどが、坂の上を目指して駆け上がっていったのです。40年後、1905年はあの大国ロシアを戦争で破り、列強の仲間入りと言われるようになる。富国は差し置き、強兵に力を入れた結果だ。そして40年が経ち1945年は終戦の年だ。この40年間は、さらに国民が我慢をして強兵を支えたが、アメリカとの戦争に敗れ、占領下に置かれた。日本人は急坂を駆け下りていった。それから40年間、経済に注力し、ジャパンアズナンバーワンと言われるほどの経済成長をする。日本人は急坂をものすごい勢いで駆け上がったのだ。1985年、プラザ合意によって高度成長時代が終わり、残念ながら、この40年間は世界から取り残される経済状況になり、坂を駆け下りてきた。そのような状況で、2025年を迎えたのです。間違いなく坂を駆け上がる40年にしなければならない。歴史は駆け巡るといいますが、世界が尊敬する日本になる新しい芽は出てきていると感じます。それを信じて、日本人は自分たちのできることを一生懸命することになるはずです。

第一に経済から「歴史、文化、思想、考え方」へ移行していくと思います。世界の各地で「紛争」が巻き起こっていますが、○○ファーストや人種差別が優先される時代が残る限り、残念ながら紛争は絶えないと誰もが知っています。その中でも、日本人は「利他の精神」や「八百の神」など相手を思いやり、受け入れる度量があるほうだと考えています。「唯一絶対の神、他は一切認めない」や「わが民族以外に下等人種」「世界の中心は、わが民族」となると、紛争の火種になることは言うまでもありません。動物の世界で当たり前の「足るを知る」ことが優先されるべきなのです。また、「衛生的、健康、綺麗」といた当たり前にできる日本の生活スタイルは、もっとも人間に適しています。さらに、数寄屋や茶道といったシンプルな芸術思想、「もったいない」といった行動、ゲームやアニメを作成する創造力など、世界に発信することで、自然や建造物観光を乗り越えた来国者が増えていくと考えています。

第二に技術力に伴ったシステムです。真面目、改善など人間力と言ってもいいかもしれません。新幹線や在来線の運行能力、あれだけ過密でありながら、ほとんど遅延がない。社内清掃、おもてなしといった仕組み。建設業でも技術だけでなく管理能力（安全、工程、品質）もずば抜けています。さらに、断熱・換気といった省エネ技術や地球貢献技術も住み方や使い方といった仕組みをセットして輸出できると考えています。

第三に「自然」です。世界6位といった排他的経済水域は大きな財産です。また、成長した山林も豊富にあり、CO2削減力、豊富な飲料水も財産です。それらは、どのように活用するかで差別化、経済成長にもなります。戦後輸入してきた金属もリサイクルが進み、都市資源になりつつあります。

第四に「少子高齢化」といった社会問題解決する能力。これは、どこの国よりも早く来ることは間違いなく、日本がどのように対応してくのかが注目されています。必ず、解決の道を見つけることができると信じています。その一つが、健康年齢の維持です。80歳なっても90歳になっても、自分で何でもでき、世のため人のために生きている日本人が増えるはずです。これは事前医療や政治、個人の努力など総力戦ではないでしょうか。また、人として子育てが最も重要な「生きる目的」だということまで、昇華させることです。

まだまだありますが、これからの40年はワクワクするようなことが起きるはずです。インターネットが普及し、世界中の情報が集まり、それを精査して、よりよい社会になるように活用していく。日本では、それができるはずであり、新しい歴史が動きはじめています。我々住宅会社は、それに沿ったビジネスを行うべきと考えています。個人としても、社会に頼るのではなく、社会に貢献していくといった姿勢で生活していくべきであり「一隅を照らす」ことが大事な40年間になると信じています。