建築資材のコストアップが業界を揺るがす

中東情勢もあり、建築資材や運送コストが驚くほど上がっています。最終消費者に受け入れていただけるのか、心配になるほどの上り幅です。特に、石油が原料である断熱材が顕著です。更に、接着剤が上がると、柱・梁に使う集成材、合板、床材の木製品だけでなく、ユニットバス、キッチン、エコキュートといった、住宅に欠かせない設備にまで影響が及びます。さらに、国が進めている断熱改修には、樹脂サッシや内窓は必要不可欠であり、深刻な状況です。現時点では、価格が上がる資材はあっても、下がる資材はないといってよいでしょう。

残念ながら、東京や横浜といった通勤エリアでは、マンションや一戸建ての新築住宅は、一次取得者では手が出ない価格になっています。住宅業界では、新設住宅着工戸数の落ち込みだけでなく、不動産流通にも大きな影響が出てくる可能性があります。昨年、お米が高くなったことで、消費者がお米からパンや麺類に意識的に変え、購入を控えるようになりました。今年は需要よりも供給量が上回っていますが、消費を控えたことで需要が戻っていないように思います。余ったら外国に売ればよいという意見もありましたが、価格が高ければ外国も買わず、結果、輸出量も伸びていません。今後のゆくえを観なければなりませんが、日本人の需要が以前の水準に戻ってくるとは思えないのです。

住宅事業も、建築費の高騰が続くようであれば、消費者が離れ、需要が激減してしまうのではないかと危惧しています。今が大きな分岐点ではないかと思うのです。「建築基準法の改正」により、リノベーションも建築確認を出さなければならないものが増えました。結果、事業者が大規模な修繕や模様替えを控える動きもあります。あらゆる建築分野で厳しい環境を受入れなければならない状況です。

一方で、20歳代の所得がアップしていること、50歳代の相続人が急増していること、団塊世代が80歳を迎え、子世代にいろいろ任せるようになってきたことは、大きなビジネスチャンスの可能性を秘めています。こうしたう時代だからこそ、世の中に多く存在する既存住宅を利活用するという発想になるのは自然の流れです。また、既存の住宅資材をできる限り活用して、安全で快適な住宅にリフォームしていけるかが試されているのではないでしょうか。まず鍵となるのは相続不動産を扱うことですが、課題はその情報をどのように得るかでしょう。被相続人が、生前に準備をしているのであれば問題ありませんが、ほとんどの不動産は相続が発生した後に対応を迫られています。そのため、権利関係が複雑化しているケースが多いのです。しかし、ファイナンシャルプランナー、税理士、司法書士、弁護士、不動産仲介会社といった専門家とネットワークを組み、「相続の窓口」のようなワンストップの仕組みで煩雑な実務に対応できれば、相談は入ってくるはずです。

次は、地方や大都市郊外で急増している空き家ですよね。これは、空き家バンクの事務局に業者登録することからはじめましょう。それだけでも、中古の建物情報は入ってくると思います。重要なのは、その物件をどのように活用し、リノベーションを設計するのかであり、それが他社との大きな差別化となります。なんといっても、全国に存在している、既存住宅から、ディサービス、店舗やゲストハウスなどにリノベーションしている実例をたくさん見ることです。そうすることで、いち早くノウハウを身に付けることができます。建築のプロである皆様なら、必ず気づきがあると考えています。特に、ゲストハウスなどにリノベーションした物件は、宿泊してみることをお勧めします。いろいろなノウハウを感じることだけでなく、設計者とのネットワークができる可能性もあります。そのような物件については、取引先である建材店や問屋、建材メーカーなども情報を持っていますので、話しかけてみてください。

 住宅は輸出することが難しい商品だけに、国内の最終消費者が、他の業界よりも住宅業界に費用を落としたいと思えるようにしない限りは、業界全体がシュリンクしてしまいます。消費者にメリットのある、中古再生、リノベーション、他への利活用などを早期に手掛けていきたいものです。

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