神様・仏様が喜ぶ生き方を

日本国内で「特殊詐欺」と言われる事件が多発しています。高齢者狙いのオレオレ詐欺から、最近では強盗や傷害事件まで引き起こしています。そのほか、警察官や公務員を名乗った「振り込み詐欺」、分電盤や廃棄物、屋根のリフォームなどの詐欺も増えています。固定電話だけでなく携帯電話にも詐欺の電話が入るようになり、メールから振り込みを促す方法も出てくるなど、次から次へと新しい詐欺が出てくるのです。

便利な道具が普及すればするほど、頭脳を間違ったことに使うようになってしまう。道徳や宗教といった心の在り方が、残念ながら普及していないこともありますが、子ども時代の教育の在り方が影響しているのではないかと思います。戦後の教育は、「個」を重視するあまり、「公」に貢献する意識が育たない状況が続いていると思うのです。「自分」が大事、注目されたい、評価されたいから他人を落とし込んでも良い、騙される方が悪い、他人が悪いとなってしまっていないでしょうか。神様・仏様が、利他の教えや、世のため人のためを説いていることを考えると、嫌われる行動になっていると思うのです。残念ながら、日本古来の教えであった、謙虚と陰徳を美徳とし、卑怯を戒めるといった価値観が今は忘れられているのです。

そのような中、神様・仏様が喜ぶ生き方をしている人の代表が、大谷翔平選手や菊池雄星選手ではないでしょうか。グランドのごみを拾い、日本中の子どもたちに野球のグローブを贈っています。また、サッカー日本代表のサポーターは、勝っても負けても掃除をしてから帰ります。トイレ掃除で有名な鍵山秀三郎さんが作った「日本を美しくする会」は、参加者がどんどん増えているといいます。この人たちは、間違いなく神様・仏様が喜ぶ行動をとっていると思うのです。神様・仏様が彼らを応援してくれているからこそ、何年にも渡り継続して行動に移していけていると感じるのです。

神輿を担いで60年が経ちます。40歳代からは同好会に入り、年間10回ほど江戸の神輿を担いでいます。今住んでいる東金市の田間地区には田間神社という村社があり、禰宜(ねぎ)になって20年が経ちます。それもあり、60歳を過ぎたころから、毎日田間神社に参拝することにしています。続けていると、参拝しないと「嫌なことが起きる」のではないかと思いはじめるから不思議です。神様は、「わざわざ会いに行くと喜ぶ、感謝されると喜ぶ、世のため他人のためのお願い事を喜ぶらしい」というので、そのようにしています。折角なので、往復の道を変えながら、資源ごみ(缶、瓶、ペットボトル)を拾っていきます。これも、神様がゴミは捨てるより拾う方が喜ぶと思うからです。また、月2回は月次祭(つきなみさい)で「大祓詞(おおはらえのことば)」という祝詞を合唱し、玉串を奉納、それを持ち帰り神棚に飾ります。宗教的に「神道」へのめり込んでいるわけではなく、日々の生活の中で、神様、仏様やお天道様が喜ぶ行動や生活に変えていきたいと思いはじめたのです。そして、私も応援されているのではないかと最近思いはじめています。嬉しいことに、ここ数年は「嫌のこと」はほとんど起こらず、楽しい時間を過ごすことができているからです。

ビジネスにおいても同じではないでしょうか。成長している、運を持っていると感じる経営者は、「世のため、人のため」を実践しています。例えば、松下幸之助氏や稲森和夫氏はあまりにも有名です。あまり難しいことは考えずに「楽しいこと」「世のため、人のため」を優先して、日々を過ごすことをお勧めします。今、できることを、誰が見ていようが見ていまいが、コツコツと行動することです。近所や道路の掃除やごみ拾いだけでなく、子どもたちにスポーツを教え、地域の安全パトロールでも良いのです。公園の草取りや花育てでも良いのです。我々のビジネスである住まいづくりでも、心を込めて取り組むことです。数か月もすると、意識して行動しなくても、自然とできるようになり、いずれは、神様・仏様に応援される生き方に変わっていくと思うのです。