バブル時代と似ていないか

今年起業したこともあり、日本社会の経済状況が気になります。不動産、住宅業界は、日本経済に大きく影響するからです。ここにきて、円安もありますが、株の値上がり、大都市を中心にした土地の値上がりが顕著であり、新築マンションや中古マンションも異常と言える価格になっていないでしょうか。平成初期のバブル崩壊時、分譲住宅事業を営業所の責任者として行っていました。たった一つの政策でピタッと売れなくなったことを経験しているので、現在の状況を考えるとひやひやしています。しかし、現在は、不動産や住宅の供給量があの時ほど多くない中、価格上昇をしているので、総量規制といった毒薬はないのではないでしょうね。円安が続くとなると、光熱費や食料といった生活に直結する費用は高くならざるを得ない。金利を欧米に近づけようとすれば、変動金利で融資されている住宅ローンの返済不能者が激増しないのか、そんな不安は残ります。

日本社会は、政治的にはリーダー的指導者、政策集団、与党も野党も過去にないほどグズグズです。過去にもそのような時期はあったでしょうが、その時には、経済の指導者が政治を支えるほど、しっかりしていた。現在は、経済的なリーダーや企業も不在になっています。GAFAMと言われる会社、中国資本が日本経済の中心に座り始め、圧倒的な技術力や知名度を持った第二次産業の自動車業界や家電業界は、他国に工場を移設していることもあり、国内経済を支えるほどでなくなってきている。第三次産業の中心は、GAFAMに抑えられている現状であり、観光産業も中国資本が入ってきているとなると、どうすればいいのか。

一方、国民の民度は高いと感じています。これは、歴史、文化的な水準が高く、世界に影響力を持っているだけでなく、勤勉、こつこつ、道徳といったことです。これだけは、他国が簡単に構築することはできない。例えば、新幹線というハードだけではなく、安全性、運営技術、社員トレーニング、高級観光列車のおもてなしや運営力といったことです。また、日本料理、アニメ、音楽、アミューズメント、祭りなどのコンテンツも豊富にある。スポーツの世界も日本人の活躍が目立つようになっているのも、本人の努力もあるでしょうが、科学的分析力やトレーニング手法、メンタルの鍛え方などの研究が進んでいると感じています。専門的ではないですが、防衛力、宇宙ビジネスも期待できると思っています。まだまだ、日本は伸びる要素があると感じています。

残念ながら、このままではバブル崩壊のようなことになってしまいます。株の高騰と土地の高騰で支えられた状況は決して良い状況ではないでしょう。上記で書いた日本や日本人の持っている能力を十分に出し切れば、乗り切れると考えています。特に若い人が、昔ほど大企業や公務員といった安定を求めておらず、チャレンジ精神が生まれていることに期待しています。海外で成功している日本人が増えていることも影響しているのかもしれませんが、自分で能力を磨き、こつこつ努力をする能力はもともと高いのですから。 我々の土俵である不動産や住宅業界は、国内ビジネスであり、日本人の経済状況、安定性に大きく影響することは言うまでもありません。何が何でも日本国内の経済が活性化していただかないと伸びない業界です。外国人が国内不動産取引の中心というわけにいきません。個人でいえば、相続対策での土地活用、高齢者の快適住宅への住み替えやリフォーム、空き室や空き家のリノベーションと利活用です。高齢者の資産を、もっともっと住まいへ投資ができるようにしなければならない。法人でいえば、物流センターや観光ビジネスにおける設備投資、上記に記述したビジネス(文化・歴史・防衛・宇宙・トレーニングなど)への投資を促進することで、不動産や建設業界を活性化したいものです。一部の政治家や経営者に期待するのではなく、ひとりひとりの国民がチャレンジ精神を持つだけでも、大きく日本経済は変わり、今ならバブル崩壊を免れる、まだ間に合います。それにしても、日本の若者に期待してしまうのは、私が、年を取ったことの証なのかもしれません。

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