企業理念を実施する

どのような組織でも、「何のためにつくったのか、社会的存在価値はどこにあるのか」といった企業理念は、必ず存在しています。というのは、各企業のホームページを見てみると、しっかりとした企業理念が謳われているのです。もちろん、永く存在している組織は、企業理念そのものが変わることもあるかもしれません。本来、経営者や従業員にとって迷った時の指針になるはずなのですが、いつの間にかそのような思いを忘れてしまい、形だけになっている企業があるのは残念なことです。

企業理念は非常に大事であると思っていますが、実行し続けることが難しいこともわかります。毎日口ずさむといった、「慣れる」「脳に刷り込む」ことも重要だといいますが、私は理念と「自分の生き方」を一致させることだと思っています。心の底から共鳴できないのであれば、実行することはできないし、悩んでしまうのではないでしょうか極論ですが、会社を辞することもあると考えています。私は、「個人の生き方」「家庭での方針・目的」、そして「企業理念」の一致があるとスムーズに受け入れられ、がぜんやる気が出てくると考えています。

私の例を書いてみます。一級建築士事務所「住まいるDesign」の企業理念は、「木造建築の素晴らしさを伝え、地域密着の住宅会社様を応援します」です。個人的には、「住まいを通じて、笑顔をデザインする」というものですが、笑顔にするのは、お客様であり、家族であり、私個人でもあります。「楽しいこと(仕事も、趣味も、人間関係も含む)」を最優先にして、毎日、笑顔でいたいのです。家族=家訓に近いものですが、「精神・経済的に自立、主因は内にあり、見返りを求めない、おかげ様の心構え」といったものです。今年から起業して、それらを実践していかなければなりません。

そのために、自宅をリフォームして「断熱体験館」を公開しています。まだまだ告知活動が不十分ですが、私にとって、来館いただくこと、見ていただくことは「楽しいこと」であり、毎日笑顔でいられます。この体験館は築30年の木造建築で、同時期に建築された家は、日本中どの地域にもたくさん存在しています。それを「断熱改修」するビジネスは、地域に密着する住宅会社にとって、必要不可欠な技術になります。さらに、入居者であるお客様を間違いなく「笑顔」にするのです。そのうえ、省エネになり、二酸化炭素の排出削減により「地球環境」に貢献できるものと思っています。商売の基本である三方善(お客様、住宅会社、社会)のビジネスだからこそ、「断熱改修体験館」をつくって住宅会社へ公開しているのです。

そして、「民泊ヨシロー」ですが、コンセプトは「熟睡、快眠できる部屋」であり、温湿度コントロールができる「断熱改修体験館」がベースになっています。科学的データをもとに、木材仕上げ率、樹種、珪藻土、照明(光)、匂い、音などを組み込み、熟睡できる寝具、パジャマ、入浴方法なども準備します。これも「空き室」の利用が目的であり、地域密着の住宅会社のビジネスにつながると考えています。また、人口減少に苦しむ地域に「民泊」が根付けば、地域に人が来ることになり、経済効果(食事や交通)も期待できると考えているのです。地域には、圧倒的に多くの木造建築が存在し、空き室も急増中です。快適空間の木造建築に改修する必要があるため、簡単ではないでしょうが、住宅会社、地域、お客様が笑顔になるスキームになると真剣に思い、実施していきたいと思っています。

企業理念や個人の生き方、家族の在り方を一致させることは、決して難しくはなく、一つの物語(ストーリー)を組み立て、つくることで、わかりやすくなると思うのです。根本の幹が見え始め、根や枝、花が明確になってくるのではないでしょうか。理念は大きなフラッグシップであり、なかなか到達はできないものと思いますが、持たなければならない、持つべきものと思っています。

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