ニッチな商圏や商材でNo.1を目指す

「好きな会社、好きなビジネス、好きな商材」を応援していきたいと思い、一級建築士事務所を起業しました。それほど大きな企業ではありませんが、現在5社と提携を結ぶことになっています。

まずは、木造住宅のリフォーム用耐震金物をつくっていたメーカーのK社です。「新築住宅の制震部材」を本格的に発売したのをきっかけに、お手伝いすることになったのです。「制震工法」は、RC造や鉄骨造では普及し始めていますが、木造建築では明確な基準がなく、メーカー独自の実験やデータからお客様に提供しています。地震エネルギーをどの程度吸収し、建物の躯体の変形や損傷を最小限に抑えられるのか、繰り返しの地震に耐えられるのかといった基準です。そのような中、K社は、一般的な木製筋交いを活用した制震部材を開発しました。しかも、制震効果だけでなく耐震性能も加え、宅急便で配送できる大きさにしたのです。性能実験だけでなく、木造住宅の実物大実験も行い、制震工法専門の大学教授にアドバイスをいただきながら、安全性と低コストの制震部材を実現させました。来年の法改正で一戸建住宅用の制震性能の基準が明確化され、業界内で統一が進むのではと期待しています。その時に、No.1 を目指すお手伝いをしていきます。

和風建築といったキーワードを徹底的に極めている会社は、非常に少なくなってきています。もちろん、地域特性に合った家づくりは残っているものの、全国規模のハウスメーカーや大型ビルダーが若者の購入層の嗜好をがっちりつかんで普及させていることもあり、残念ながら下降線になっています。しかし、若い世代でも「和」を好む人は少なからずおり、選択肢がない状況になっている業界でもあります。一方、非住宅の業界では、「和」というテイストが普及するのではないかと考えています。それは、今まで以上に外国の人が日本に興味を持ち、どんどん来るからです。求めるのは、「日本の文化、日本のスタイル、日本の歴史」であり、それと触れること、インスタ映えすることを求めてくるだろうと思うのです。エリアを千葉に絞って、「和」の非住宅業界でNo.1を目指していこうと思っています。

 地盤調査会社のV社の仕組みも面白い。一般的なスウェーデン式サウンディング調査方法ではなく、独自開発した機械で調査をする。より精密な調査により、地耐力をより詳細に解析することで、改良率を抑えるのです。一般的な建築士は、地盤のことに対しての解析力に不安を持つため、調査会社の指示に従うことが多く、改良率が高まるケースがある。調査は調査、改良工事会社は改良工事会社で分けることで、最終消費者の負担を減少させていきたいものです。もっともっと普及させていきたいと思います。

 RC造や木造ではできない鉄骨の倉庫・事務所建築(BtoB)に絞ったK工業様も徹底しています。施工エリアは千葉県内と広いですが、町工場や運送業などに絞って対応しています。鉄の素材価格が高くなっていることもあり、規格化(システム化)をすすめ、小さな倉庫・事務所についてコスト面での差別化を図っています。しかし、どのようにそのようなお客様を探すのかがポイントです。そこで、金融機関を自社の営業マンと位置づけ、金融機関の取引先の商売を一緒に応援していくのです。もちろん、他社と比較されますが、自社の得意な条件を絞れば絞るほど差別化できるはずなので、私の得意な営業方法で、K工業様の応援をしていく予定です。

 最後に、チャレンジ中の「民泊」ビジネスですが、「宿泊施設」としては、後発の仕組みであり、東金というエリアはリゾート地でもなく、東京からも近く、建物も築30年の一般的な住宅です。置かれている環境が恵まれているとは思いませんが、それでも知恵を出し、行動することにしました。「快眠」「熟睡」をテーマに建物自体に付加価値をつけ、科学的なデータに基づき提供する予定です。「木材、珪藻土、温湿度、照明、匂い、音」といった室内機能だけでなく、「マットレス、布団、枕、服装、電磁波」など、快眠に影響する要素をあぶりだし提供していきます。年間80泊を目指し、九十九里エリアNp.1を目指します。

 それ以外でも、会社規模が小さい、商圏が狭いなど、一見デメリットに見える状況でも、視点を変えるだけでNo.1を目指すことができるのではないかと思っています。簡単ではないでしょうが、それにチャレンジするのが面白いのです。もはや、受注が順調、商品もでき上がっている状況の中では、「住まいるDesign鈴木芳郎」という存在もいらないし、価値もないですよね。ニッチな業界、ニッチな商品、ニッチなシステムを探し出して、マーケティングを駆使して、そのような企業を応援していこうと決めています。

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