地方の分譲地や建物をどう活用するのか?

私が住む千葉県の九十九里浜近郊では、昭和40、50年代の高度成長期に、10から20区画程度の規模で山林を切り開いた宅地分譲が盛んに行われていました。当時は、「気候は温暖で、海に近く、将来の永住地に最適」などとうたい、首都圏のサラリーマンをターゲットに、「月々の小遣いで返済できます」と住宅ローンをセットにして次々の販売されていました。区画も50坪程度と、都心からすれば広くみえる土地です。しかし、中には上水道も下水道もなく、排水も宅地内処理といった物件も少なくなくありませんでした。そのため、50年が経っても、移住しているのは2割程度にとどまり、残りは宅地のまま放置されています。草刈りの管理専門会社が多く存在するほどで、所有者と管理会社の看板とともに「売地」の看板も多く出ています。また、こうしたエリアにこそ、人口減少の波が押し寄せています。定年近くで移住してきた人たちが亡くなる年齢になり、空き宅地だけでなく空き家も急増しているのです。「売り物件」とまだ表には出ていませんが、その予備軍が山のように控えていると思っています。

さらに、ベッドタウンとして人口が急増したエリアだけに、空き室も急増しています。床面積40坪程度の住まいに一人から二人で居住しているならまだしも、50坪をはるかに超える住まいに一人で住んでいるケースが多く見受けられるのです。そのうえ、築40年を超え、耐震性も省エネ性も不十分な住まいが多く存在しています。残念ながら、バブル以降に購入した比較的新しい住まいにおいても、子どもたちは新しい世帯を持って出ていき、二世帯住宅にする家族が少ない状況です。結果、ほとんど物置状況になっている部屋が多く存在するようになってきています。そのようなエリアは、日本中に存在しているのではないでしょうか。

それでは、どのように解決していけばよいのでしょうか。これといった正解があるわけではありませんが、チャンスはあると思っています。例えば、それほど存在していませんが、一区画50坪前後の土地をまとめて300坪から400坪にすることで、違った用途にできないかと考えています。人が永住する場所でないことは間違いないので、グループホーム、介護施設、倉庫や資材置き場しか思いつきませんが、このような土地にも投資を促す方法がないかと思っています。もう一つが、国を挙げての二拠点居住の推進です。生涯の永住地と考えると、「交通が不便、生活の施設がない、医療も不十分、寂しい」などマイナスの面ばかりがクローズアップされますが、週末だけ、長期の休暇や季節のいい時だけ利用するとなると、非日常を体験できます。もしもの時に、避難する住まいとしても考えられます。固定資産税や不動産取得税、住民税などを有利にすることで、推進できるのではないかと思うのです。また、空き室も「民泊施設」などに利用できるようにリノベーションするのはどうでしょうか。今は、負の遺産となってしまっている分譲地や家を、「活用できる」ようにして価値を生み出し、財産に変えていかなければ、地方の活性化は見えません。

今の日本を見ると、異常気象、少子高齢化、首都圏一極集中、第一次、二次産業従事者の減少などを考えると、地方都市経済の将来に需要が見えないのは確かです。しかし、そのような状況を変えていかなければならないことも、わかっているのです。首都圏や関西圏に大震災が起これば、日本経済は何十年も立ち直れないほどの被害を受けます。また、安全保障上、食料需給率を上げなければなりません。一方、成長産業と言われるAIや宇宙、レアアースなどの資源活用、リニア新幹線、食料栽培の工場化などは、大都市でなくても、地方都市で十分にできるはずなのです。政治家や経済界などが一体になって、地方への投資を行えば、道は拓けると信じています。

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