OB施主様廻り

業務提携先のK建設様は、新築住宅を請け負って40年以上になります。しかし、千葉エリアでの事業は、新築からOB施主様中心の大型リフォームへ移行しつつあり、新築の営業マンを単独営業所として抱えるほどではなく、東京や神奈川と兼任になっている状況です。そのため、このエリアの社員メンバーは、技術者を中心に数名になっています。過去にそれなりの棟数を千葉エリアで供給しており、九十九里エリアだけに絞っても100棟は存在します。そこで、私の事務所近くのOB施主様だけでも訪問していくことを、K建設様と話し合ったのです。今年の8月から、月に数日と決めて訪問をはじめています。一日に廻れるのは8から10組です。挨拶と「何ができるのか、得意なのか」について、簡単な資料をもって情報を提供するようにしています。

K建設様の得意分野が特殊な建築(和風専門)であることもあり、OB施主様は新築時もそれなりの年齢だったようで、世代が変わっているか、80歳を超えている人がほとんどです。午前中に訪問するのですが、在宅率は高いですね。お住まいのお客様には何とも言えない「品」が備わっており、建物以上に和風の庭園が見事に管理されている印象です。「総檜の家」ということもあり、建築時の総額も高い部類になっていたからと想像できます。これまで、ほとんどOB施主様訪問がされていないこともあり、クレームや小言を覚悟していましたが、「近くなのはありがたい」といった言葉のほうが多いのです。

残念ながら、築20年以上の住まいでは、何らかのリフォームが他社で行われているのですね。新築工事を行ったK建設様は、「和風建築の新築専門、情報提供が少ないから連絡しにくい」などと思われていたのです。ここ数年は、DMなどで情報を出し続けていることもあり、少しずつ意識してくれているようです。そこに、「近くの○○に住んでいる、担当することになりました」と訪問したのですから、タイミングが良いのもあるでしょう。訪問を喜んでいただいているのです。また、高齢のお客様のほとんどが、純和風の総檜の家である自宅が、「自慢の家」なのです。当時の家づくりを嬉しそうに話してくれるのです。「○○にある、あの家も私が紹介したのだ。良い家だろ」と、ほかの家自慢までしてくれるのです。地域に根付く工務店様になるためには、まずはOB施主廻りです。先代が仕事をいただいたお客様もいるでしょう。まずは動いてみませんか。

 私のような起業をしたばかりの会社(設計事務所、リフォーム会社など)は、新築を提供してきた分譲会社や請負会社と業務提携を結び、OB施主様廻りをしてはいかがでしょうか。千葉県大網白里市にあるO総合管理さまは、大型分譲住宅団地の入り口に事務所を構え、当時分譲をした大手のM地所様が撤退(分譲済)するタイミングで引き継ぎ、不動産管理を行いながら数十年後には、リフォーム会社へ変身を遂げています。大都市郊外にはたくさんの新築住宅が建設されてきましたが、新築提供会社の撤退とともにOB施主様を持て余している状況が必ずあります。

私の場合は、はじまったばかりですので、どこまでお客様の笑顔を見ることができるか分かりませんが、私が目指す「笑顔を提供するデザイナー(住まいるDesign)」としての役割の一つではないかと感じています。また、どこまでビジネスにつながるか、商売になるのか、先は見えませんが、まずは、九十九里エリアのK建設様の100組のお客様に顔を覚えていただけるように継続していくつもりです。その中で、一組でも二組でも良いので、地域に住むお客様に九十九里エリアを好きになっていただくこと、K建設の建築した住まいをより好きになっていただくことが、私の役割になると信じています。

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