2025年、住宅業界はどうなるのか

あけましておめでとうございます。今年もどのようなことが起きるのか、ワクワクしますね。全てがうまくいくとは限りませんので、そのたびに悩み苦しみますが、少しずつ前に進んでいきます。昨年、各国の政治のリーダーが変わりましたが、経済も大きく変わりますね。既存住宅が世帯数を大幅に超え、空き家が急速に増えてくる現状があり、郊外では、大きな住まいにひとりか二人で住んでいる家族がほとんどです。一方、大都市の新築マンションは一億円をはるかに超え、夫婦二人で収入を得ないと住めない状況になっているから、子育て夫婦はどんどん減少していきます。残念ながら、個々の生き方を優先し、神様が望んでいる夫婦像、家族像と離れていっているように感じます。また、ほとんどのビジネスやサービスがネットの世界できるようになり、日本人の物欲はどんどん小さくなる一方、非日常の体験や感動といった心の満足を求める人が増えてきました。「家も持つ」という満足から、「活用する」「感動する」などに資金が使われるように変わってきており、私たち住宅会社のビジネスモデルも変わっていかなければならないのでしょう。

マンションも含め、新築住宅ビジネスの拡大は望めないでしょう。少子化、結婚の減少から実需を求めるお客様が減少している。そのうえ、新築分譲向けの土地の確保が難しい。土地を活用する上で、他のビジネスモデルが圧倒的に有利になっているからです。建て替えはさらに難しい。高齢化が進めば、建て替え需要は少なくなってくる。自分が作った家を建て替える気はしないからです。そうなると、修繕、リフォームビジネスが中心になると予想しますが、やはり高齢化が邪魔になり「あと数年で施設に行くからと、今更投資しない」となる。住まい手がいなくなり、そして空き家がどんどん増えてくることは間違いなく、空き家をリノベーションして他の物に利用するか、解体工事ビジネスでしょう。私たちにとって、喜ばしいことなのか、残念なことなのか、国内の住宅は十分満たされていることは確かなのです。

また、資金調達方法も変わりつつある。戦後、住宅ローンという仕組みができ、将来の年収や物件価格が上がるという前提で、誰もが自己資金が少なくても低い金利で借りられた。残念ながら、前提となっていた高度経済成長、人口、世帯増加の時代は終わり向かっている。住宅ローンという金融商品が過去のものとなっていき、新しいクラウドファンディング、リートなど不動産投資に注目されるようになってきている。

どうすればいいのでしょうか。私見ですが住宅というカテゴリーからビジネス範囲を広げることではないかと思っています。宿泊施設、介護施設、店舗など「住むから活用する」や「建物から利益を上げる」です。そんな意味でも、住宅業界は「不動産ビジネス」の範囲なのでしょう。不動産ビジネスの一部と認識することが、最も私たちの特徴を活かす、残すことができるのです。リノベーションも新築もあるでしょうが、ゲストハウスのような小さな(短い)「活用」でも十分なのではないかと考えています。もう一つが「2拠点居住」を、日本人の生活に常識になっていくことです。夏と冬、平日と週末、ビジネスと休暇を、それぞれに合った場所、住まいを持ったり、借りたり。快適な空間を自分のものにしていく。何がなんでも「リアル」でなくても良い時代が来るからです。

さらに、間違いなく伸びるのは「インバンド」関連であることは言うまでもありません。それは、日本の文化、歴史、環境、景観などと同時に、日本人の生き方や考え方、技術が注目されているのではないでしょうか。「八百万の神」、「おもてなし」、「利他の精神」や「一隅を照らす」などは、世界の中で抜きんでているように思っています。「知りたい、学びたい」は人間として不変なことでありますが、「時務学」だけでは満足せず、上記のような「人間学」というものを学ぶには、日本という国、日本人を知ることだと思っているのではないでしょうか。だからこそ、私たちのビジネスもそれに沿った建築ビジネスが伸びると思っています。

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