3ステップマーケティング
新規のお客様をどのように獲得するかは、全てのビジネスにおける課題の一つです。いろいろな方法はあるものの、著名なマーケターである神田昌典氏が提案しているステップ方法は、いかにハードルを下げて顧客と接点を持つか、そして、顧客の信頼を得てからどう本来のビジネスにつなげるかがポイントであるといいます。野球でいえば、ホームランを打とうとするのではなく、ストライクとボールを見極めることに集中し、それから、ストライクのボールにコンタクトを試みます。その先に、ヒットやホームランがあるというのです。
S社のDHAセサ○○という商品の1か月無料キャンペーンに参加しました。65歳という年齢になったからか、いろいろな名簿から住所や名前を調べて、DMがきたのです。ステップ営業をどのように行っているか、体験したくて申し込みました。サンプル(1か月お試し)が届くと、一緒に通販の注文書やスタートブックという小冊子、有名な方の体験談など、パンフレットが6枚入っています。無料モニターとしてこれらのパンフレットの広告評価をすると、もう1か月無料(抽選)になるというので、すべてのパンフレットを読んで広告評価を送ってみました。
それからしばらく経ち、最初の1か月分のサンプルが終わるころ、電話がありました。今回の目的は、「御社のマーケティングを学ぶため」と素直に話し、理解いただいたのです。もちろん、自分にとって必要という時期になればDHAセサ○○を第一に購入しよう考えています。「無料で1か月分お試し」といったハードルは低く、健康を意識している人は心動かされます。その後に広告評価、いやでもすべてを読み込みます。最後は、電話セールスを行う3ステップ方式。多分、それなりの人が購入することになるのでしょう、だからこそ、この方式をとっていると思われます。
私の住むエリアを商圏とするS住建様も、2ステップ営業を実践していました。リフォーム工事をメインに行っており、顧客名簿を1,000組にするまでの活動の一つとして、「技術者である私が直せるレベルなら1件1,000円」というサービスを行っていました。軽トラに水道設備や大工工事の部品、修繕道具を積み込み訪問するのです。ニュースレターの発行や、2か月に一度の相談会を開催して、告知していたのです。今では、顧客名簿が揃い、そのお客様向けのサービスに変わってきています。
ある取引先の工務店様は、新築工事現場に「おついで無料工事」という看板を張り、工事スケジュールを書いています。「来週は建具屋が来ます、その次は設備業者が来ます」と広告するのです。結果、「我が家の建具がおかしいの、見てもらえないでしょうか」と、施主へ連絡がくるのです。目的はあくまでも顧客名簿を増やすことですから、無料で直します。そして、近所の新規のお客様から、数か月後にはリフォームの仕事をいただいているのです。
営業の根幹は、商圏内でどれだけ、自社がどのような会社か知っていただくことです。そして、会社の規模に合わせた顧客名簿を揃えることです。その顧客との信頼関係が構築できれば、本来の仕事もできると考えています。そのために、チラシや新聞広告、看板を設置する人がいますが、それだけでは、信頼関係は構築できません。第一ステップは知っていただくこと、第二ステップは小さな取引(無料でもOK)をすることではないでしょうか。そして、商品の良さ、サービスの良さから信頼を得てから、第三ステップとして取引になるのです。特に、リフォーム工事をメインにしている住宅会社では、お客様と一生涯のうち繰り返し取引をすることになりますので、これらのステップ方式の営業活動は有効だと考えています。 一級建築士事務所 住まいるデザインでは、このような営業を一緒に考え、実施することを得意にしていますので、お手伝いさせていただきます。