土地活用方法で価格が変わる

不動産の価値は、固定資産税評価額、地価公示や路線価といったものが基準になっていますが、それに知恵や工夫によって実勢価格が変わることで、不動産会社というのが成り立っています。

千葉の勝浦市の実家の前に、海の見える築50年の家があります。もともと、一階がドライブインの事務所、2階が住まいになっていました。普通の賃貸に出すにも、子育てするには小学校も遠く、駅も遠い。そもそも、高齢者しかいない地域で、相場は2LDK賃料4万円程度しか払えない人がほとんどです。そこで、一階の事務所は土間のままにして、水着のままコミュニケーションの取れるリビングと温水シャワーを設置し、2階を寝室やトイレ、浴室などにしたのです(もともとそうなっていた)。ターゲットは首都圏のサーファー、シェアハウスに変え、地元のサーファーをリーダーにして、募っていただいたのです。結果、月1万負担を8人で利用していますので、倍の賃料となっているのです。8人が同時に使うことは少ないということですが、週末になると「和気あいあい」の声が良く聞こえます。もちろん、サーファーにとっては、目の前の松部ポイントという有名な立地であったこともありますが、土間の活用、シェア、地元リーダーとの取り組みなど工夫をした結果です。

Rスティ様の土地活用もいいですよね。東京から車で90分、一宮という有名なサーファーが集まる街があります。何とか歩いて砂浜まで行けるが、海も見えない、雑木林といった真ん中にメゾネットタイプの戸建宿泊施設(2LDKのアパートと同じ)を6棟12世帯建設しているのです。コンビニや学校も近くになく、賃貸住宅作っても借り手がいるような場所ではないのですが、4-5人宿泊できます。それが、素泊まりで一泊3から8万円(季節によって違います)の収入が見込め、受け付け、決裁などすべてネットで行うため、ほとんど人件費用が掛からない。リネン、内外清掃は、近隣のアルバイト契約した人が行うのです。50%の稼働率でも投資金額(土地購入か借地・建設費)から見ても大きな利回りになります。サーファーだけでなく、観光、ゴルフ、海水浴、ペット宿泊など、数人でパーティを行いたいグループや家族の需要は増えているという。建物は同じでも、賃貸住宅ではなく宿泊施設に変えるだけで、不動産価値が変わってしまうのです。

名古屋に自宅と家族を持つAさんは、両親がなくなり築150年の農村の民家を相続したのですが、北アルプスに近く、スーパーやコンビ二は存在するものの、学校も合併するような過疎の代表的な地域になっています。地元の不動産会社に販売を依頼し、移住者をターゲットにしても、富山の冬は、非常に寒く、積雪も多いので、なかなか買い手がつかない状況がありました。そこでAさんは、定年退職とともに「築150年の古民家ゲストハウス」を試みたのです。いろいろな工夫を施し、数年後には、海外からの宿泊者が継続してくるようになったのです。一部屋は、若い人に間貸しを行い、活気のあるゲストハウスになったのです。結果、ビジネス付古民家にしたことで予想以上の価格で「築150年の実家」を販売することができたのです。

それ以外でも、不動産を活用することで価値を生み出す方法があります。如何に知恵を絞り、行動に移せるかではないでしょうか。自分ですべてを行うとなると、なかなか踏み出せないこともありますが、専門家や一緒に考えてくれる人がいれば、意外と前に進みます。問題は、そのような人とどう知り合うか、その人を信頼することができるのかです。実は、もっと重要なのが、「自分のために人が動いてくれる人かどうか」と見られているからです。ビジネスの損得だけでは、人は真剣に動いてくれませんし、その会社の損得だけで動くことになってしまうからです。NHKドラマで「正直不動産」というのがありますが、分かりやすく、お客様とプロの不動産の関係を表現しています。「騙す、騙される」といったことは、いつの時代でもありますが、それを乗り越えるためにも、まずは自分が信頼される人物になれるかだと思っています。

私も、信頼されるよう、人物を磨き、不動産をより活用、活躍できるように知恵を絞っていきます。

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