耐震診断の現地調査研修が人気です
木造住宅の耐震化を進める「日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)」に関わって数か月が経ちます。阪神淡路大震災から今年で30年が経ちますが、残念ながら、現行の耐震基準を満たしていない建物がたくさん存在しています。昭和56年(1981年)以前に建てられた旧耐震の建物だけでなく、平成12年(2000年)までに建てられた建物も、耐震金物の不足、耐力壁の配置バランスが悪い、経年劣化等によって、十分な耐震力を持たない建物があることがわかっています。

そのような状況ですが、残念ながら最先端でお客様と接するリフォーム会社、工務店、設計事務所などの社員が、「耐震化」の重要性を十分に理解していなかったり、耐震化の技術を身に付けていないといったことが多く見られます。そのため、消費者に「耐震診断の実施」を相談されても、「何をどうすればいいのか、わからない」となってしまっています。木耐協に入会すると、耐震診断・補強の技術を身に付けるために、いろいろなメニューが用意されています。机上で学ぶことのできるe-ラーニングから、研修所を使った「現場調査実践研修会」まで、多くのメニューが用意されています。

こうしたメニューの中で、コロナ化で中断されていた「現場調査実践研修会」が人気を博しています。研修所が埼玉県にあり、一回の研修で10名程度しか受講できないのですが、全国から参加されるのです。耐震診断の上部構造評価に影響する項目を確認していくのですが、現場での図面の書き方、調査道具の使い方などを実践的に身に付けられます。小屋裏に登り、床下に潜り、劣化部分やコンクリート強度、木材の含水率なども確認できるようになっています。その後、耐震診断書や補強提案書を作成し、お客様への説明報告の仕方を学びます。この研修を受ければ、現場調査方法に自信が付き、お客様への説明ができるようになるのです。

国家資格のほとんどは、机上の試験合格だけでなく、弁護士も医者も研修期間を設けており、建築士も実務経験期間を得ないと本業ができないようになっています。耐震診断業務は国家資格を必要としていませんが、自ら研修を義務付け、診断・補強提案力を磨いていくべきだと思っています。それが信用につながり、耐震補強工事に進み、地震大国日本において「地震に強い家」が普及していくのです。 耐震診断・補強工事は、リフォーム工事の時に一緒に行えば、少ない費用でできます。しかし、塗装会社や設備会社からリフォーム会社になった会社は、きれい、便利、修繕工事の提案はできるのですが、「命を守る」リフォームの提案をすることは、ほとんどありません。結果、お客様が耐震化のチャンスを逃すことになってしまい、不安な期間が10年単位で延びることになってしまうのです。相変わらず、高齢者をターゲットにした悪質な「無料診断リフォーム」が日本社会に残っています。訪問してきた人が、「屋根瓦、板金が・・・・」と脅し、その後にリフォーム会社が法外な工事費用で受注する。警視庁や消費者センターが呼びかけをしていても、「無料診断リフォーム工事」の被害は後を絶ちません。そのような会社を駆逐するためにも、私たちのような地域密着の工務店事業を行う企業は、耐震診断・補強の技術を身に付け、耐震化の提案をもっとすべきなのです。「私たち○○工務店が地震から住まい、命を守ります!街を守ります!悪徳リフォーム会社から守ります」となってほしいのです。
